埼玉県所沢市 社会保険労務士中村亨事務所 就業規則 賃金規程 労務管理 労務相談 労災保険 雇用保険 健康保険 年金 |
社会保険労務士中村亨事務所 ホームページ埼玉県所沢市の社会保険労務士(社労士)事務所です。平成5年に設立いたしました。主な業務内容は労災保険・雇用保険・健康保険・年金の諸手続、労務管理に関する指導・相談などです。 なかでも就業規則・賃金規程の作成・運用、労使トラブルの防止・解決支援に力を入れています。 行政書士中村亨事務所を併設しています。 〒359-0037 埼玉県所沢市くすのき台3-4-7 カンファリエA202 TEL 04-2995-6662 FAX 04-2995-6668 (主なエリア:所沢市、狭山市、入間市、川越市、三芳町、ふじみ野市、富士見市、新座市、飯能市、東村山市、東久留米市、東大和市、清瀬市、西東京市、小平市 他) |
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○「経営者のための就業規則のすすめ」はココをクリック ○中小企業のための就業規則トータルサポートサービス 【はじめに】 近年の個別労働紛争の急増・多様化に伴い、これを未然に防ぎ、また解決のためのツールとして就業規則の役割が改めて見直されています。 また、平成20年4月から施行される労働契約法では就業規則の持つ法的意義が明確にされ、益々その重要性は高まってゆくでしょう。 当事務所では平成5年の事務所設立以来、こうした就業規則の持つ法的効力に着目し、就業規則を積極的に活用した労務管理や労使トラブルの解決支援をすすめてまいりました。 とりわけ中小企業の多くでは専門部署を持たず就業規則が「絵に描いた餅」となっていることが多いことから、独自のノウハウに基づき、その作成や見直しはもとより、運用に際してのアドバイスや各種書面の積極的な活用などを通じて「中小企業のための就業規則トータルサポートサービス」をご提供しています。是非ご利用下さい。 【サービス内容】 当事務所では、「中小企業のための就業規則トータルサポートサービス」として、以下の2種類をご用意しております。 @「中小企業のための就業規則」の作成・見直しサービス 以下のコンセプトをベースに、「中小企業のための就業規則」の作成・見直しをいたします。 ・ポイントを押さえつつシンプルに。 ・中小企業に多い労使トラブルに対応している。 ・社長の意向やダイナミックな動きに対応するため、柔軟で裁量が認められるものがよい。 ・規定するのはできることだけ。見栄を張らない。 詳しくはこちらをご覧下さい。 A就業規則運用顧問サービス 就業規則の運用のサポートを通じて日常の労務管理やトラブル解決のためのアドバイスや支援を行うサービスです。 詳しくはこちらをご覧下さい。 【就業規則、賃金規程その他諸規程の作成・見直しサービス】 ■業務内容 長年にわたる実践とリスクマネジメントの視点にたった法的根拠に裏付けされたノウハウをベースに、貴社の実情・意向・業種特性・昨今の法改正、社会動向などを加味した上で、貴社オリジナルの「使える就業規則・賃金規程」の整備のお手伝いをします。 ■費用 @就業規則 10万円〜 A賃金規程、退職金規程その他諸規程 各5万円〜 ※誓約書、身元保証書その他就業規則所定の書面作成、労基署への届出、従業員への周知等の附属手続を含みます。 ■就業規則作成におけるポリシー 中小企業においては詳細な就業規則はかえって持て余してしまうことが多いことから、当事務所では極力ムダを省き、ポイントを絞ることにより「よりシンプルで使いやすい就業規則」を心がけています。 たとえば、労基法で義務付けられている規定等の分かり切っていることについては最小限の表現にとどめ、会社内で実際に生じているトラブル等に関する事項については極力詳細に定めるなどして各会社毎の「問題解決のツール」としての機能を重要視しています。 ■こんな会社におすすめしています。 ・無用なトラブルは避けたい。 ・公正な処遇をしたい。 ・社内のルールを統一したい。 ・社員に安心して働いてもらいたい。 ・社員にやる気を出してもらいたい。 【就業規則運用顧問】 ■業務内容 就業規則は、作成よりもその後の運用が大切です。 当事務所では運用のサポートを通じて、就業規則をより実践的な「問題解決のツール」としてお役立ていただけるよう支援いたします。 サポート方法は以下の通りとなります。 @就業規則のメンテナンスのアドバイス 法改正、社内制度の新設・改廃はもとより、トラブル対応等のリスクマネジメント的観点から必要に応じて各規定に関するアドバイスを行います。 A労務相談に関するアドバイス 労使トラブルや労務管理上のご相談について、貴社就業規則に照らしながら、その解決策についてアドバイスいたします。 B各種通知書・意見書等の作成 上記のアドバイス内容について頭で理解しても、それを従業員に説明するのはなかなか難しいものです。 また説明できても誤解や「言った言わない」の問題が生じたりすることもあります。 当事務所では、こうした問題に対応するため事業主に代わって各種書面を作成しています。 ア 法的にキチンとした方法で業務を命じたり、注意を促したい場合 →「事業主名」で各種通知書、警告書、指導書等の書面を作成します。 見本はこちらをご覧下さい イ 従業員から労働条件について質問を受けたり、見解を求められた場合 →「事業主名」での回答書や通達文を作成します。 見本はこちらをご覧下さい ウ 以下のような場合に、説明する際の資料が欲しい場合 ・従業員から労働条件について質問を受けたり、見解を求められた場合 ・会社に対して不信感を持っていて、会社の説明に納得してくれない場合 ・内容からいって直接伝えるには、心情的に躊躇されるような場合 →専門家かつ客観的第三者としての立場から「社会保険労務士名」での意見書を作成します。 見本はこちらをご覧下さい ■費用 月額1万円〜 ■こんな会社におすすめしています。 ・就業規則はあるが、活用されていない。 ・社内での統一したルールを根づかせたい。 ・権利と義務を明確にした労務管理を行いたい。 ・「言った、言わない」で、もめたくない。 ・口で説明するのは苦手だ。 ■経営者のための就業規則のすすめ 当事務所では、創業以来、就業規則・賃金規程を積極的に活用して、多くの労務トラブルの防止や解決の支援をしてきました。 そして就業規則・賃金規程のもつ威力というものを、そのつど痛感してまいりました。 以下では、労使トラブルを解決するだけでなく、経営上発展のために、いかに就業規則が重要であるかということを知っていただくために、実際に手がけてきた多くの就業規則の作成や運用事例から得た経験とこれを裏付けるための法的な見解に基づき、当事務所の就業規則に対するスタンスをに述べています。 ちょっと長いですが、職場のルールづくりを真剣にお考えの事業主様にとって、その手段としての就業規則をご理解いただく助力になれば幸いです。 【就業規則のすすめ 〜なぜ今、就業規則なのか〜】 最近の労使トラブルの急増ぶりには目を見張るものがあります。(具体的な労務トラブルの例はこちら) 厚労省の設置する総合労働相談コーナーへの相談件数は実に94万件を超え、そのうちあっせん手続に至ったものだけでも約7000件に上っています(平成18年度)。 統計に現れない数字を含めれば、多くの事業主にとって決して他人事ではなくなってきているというのが現実でしょう。 このページをご覧になっている事業主様の中でも大なり小なり心当たりのある方は少なくないのではないでしょうか。 実際、当事務所でも、連日のように労使トラブルに関する相談がお客様から持ち込まれています。 労使トラブルというと、何となく身構えてしまう印象を持ちますが、そのほとんどは、労働者、事業主又はその両者の「思いこみ」や「勘違い」「無関心」といった、ささいなボタンのかけちがいから生じたものであり、早期に何らかの対応をとることによって関係の悪化はもとより、やれ労基署だ、裁判だ、といった大事にいたることもなく解決しています。 そう考えると、世にある労使トラブルの多くも同様に、このボタンの掛け違いの早期修復こそが解決のカギといっても過言ではないでしょう。 ところで、従来こうした労使トラブルは、とりわけ中小企業においては家族主義的な経営環境の下で経営者による説得や話し合いという、いわば「あうんの呼吸」「譲り合い」「「痛み分け」といった方法で解決されてきました。 しかしながら、バブル崩壊後、労働者の権利意識の向上やインターネット等による情報の普及によりこうした従来のスタイルは徐々に通用しなくなりつつあり、むしろ、こうしたやり方がかえってボタンの掛け違いを大きくしてしまったという、昔では考えられないような例も多々見受けられるようになっています。 こうした中、当事務所で手がけた多くの事例や最近の裁判例を通じて感ずるのは、今の時代、問題の早期解決のためには、より客観的で合理的な解決方法が求められている、ということです。 客観的で合理的な解決方法といっても一通りではないのでしょうが、実際には「客観的かつ合理的なルールを社内で明確にし、それに従って対処すること」が一番の近道であり、現実的であり、効果的ではないかと、私は考えています。 当事務所が労使トラブルの解決にあたり、お客様に積極的に就業規則を活用することをすすめるのは、就業規則こそが最も身近で、かつ強力な「客観的かつ合理的なルール」であるからにほかなりません。 「客観的かつ合理的なルール」があって都合がよいのは何も会社にとってだけではなく、労働者にとっても同様です。 何より、公正な処遇を期待できるという点で、会社に対する安心感や信頼感を与えます。 最近では、採用面接の席で「貴社では就業規則はありますか?」という質問を受けることがあるそうです。 こうして、実際に就業規則の有無が会社を評価する基準の一つとして挙げられていることも、当事務所が就業規則をおすすめする理由の一つです。 【こんな勘違いしてませんか?〜就業規則に関するよくある思いこみ〜】 当事務所で会社に就業規則による問題解決をおすすめするのは、それが「客観的かつ合理的なルール」であるからということだけでありません。 就業規則を作成したり変更したりする権限を有するのは、他ならぬ事業主のみだからです。 いわば法的に事業主主導でルールづくりができる、ということです。 たしかに、労基法では「使用者は就業規則を作成しなければならない」といった、押しつけがましい表現となっており、これが事業主に就業規則を敬遠させている理由の一つになってることは否めません。 しかし、こうした労基法の規定も、その実は、事業主のみが就業規則を作成する権限を有しているということが前提とされており、それゆえに事業主がその権限を濫用して暴走することを防ぐために、「就業規則は自由に作成して良いけれども最低限これだけは守ってください」とその権限に一定の歯止めをかけているに過ぎません。 労基法の堅苦しい表現に惑わされて、あえて就業規則を作成しないのはこうした強力な権限を放棄するに等しい、ということが、お分かりいただけるのではないかと思います。 ところで、就業規則というと「そんなものつくって残業代や年休でも請求されたらかなわない」としてアレルギー反応を示す事業主も決して少なくありません。 ところが残業や年休といった制度はもともと労基法で義務付けられているものなので、その点だけを見れば、就業規則が有ろうが、無かろうが請求されたら与えなければなりません。 では、労働者は、就業規則の有無に関わらず、残業代や年休が労基法で会社に義務付けられていることを知らないのでしょうか? そんなことはありません。 時代は情報化社会です。 多くの労働者は、その程度のことは百も承知です。 つまり、知っているけど、あえて口にしない、ということです。 退職前に年休をまとめて取ったり、また最近、退職したとたんに在職中の残業代を請求するケースが増えていますが、何よりそのいい例でしょう。 このように、労基法で義務付けられているものについては一時的に隠しおおせても、やはり違法は違法、いつそのツケが回ってくるかわかりません。 かといって、単純に労基法の規定のとおりのままにしようとすると、経営が圧迫される会社は決して少なくないと思います。 専門的な部分もあるので余り詳しい事業主は少ないですが、実は残業にしろ、年休にしろその他多くの事業主が苦手とする労基法であっても、少なからず例外規定は存在しています。 こうした例外規定を研究して経営の効率化を図っている事業主も少なくありません。 しかし例外規定を用いることが法的に認められるためには、例外規定を用いていることを、何らかの方法で客観的に示しておく必要が必要があります。 その方法の一つが就業規則へ一つの規定として盛り込んでおくことなのです。 実際、昨今の状況をみれば、何の対策も講じないで違法状態を続けておくよりも、こうした例外規定を駆使して積極的に対応していくこととの方が、法的にも経済的にもはるかにリスクが少ないといえます。 【就業規則の正体 〜就業規則は労使間の契約書〜】 就業規則があっても、「労基法で決められているから」といった理由でシブシブ体裁だけ整えられたものであったり、親会社や市販のものを丸写しにしたものも少なくありません。 意外と知られていないのですが、一般的に就業規則に書かれている規定のうちで、先に挙げた割増賃金や年休、健康診断といったような労基法や安衛法といった法律で実施が強制されているものは、ほんの一部しかありません。 いいかえれば、その他のほとんどが規定は、会社と労働者の間だけで結ばれた、いわば会社と労働者の間だけで通用し、労基署等の国家権力が介入しない取り決めで構成されています。 雇用契約の内容のうち、法律で強制されているものが契約の基本事項だとすれば、この取り決めは、いわば特約事項に当たります。 この特約の有無によって、その会社ごとの、会社が労働者に命じたり、労働者が会社に請求できたりすることが決まります。 いいかえれば特約事項そのものが労使間のルールとして機能し、無用なトラブルに発展することを防ぐのです。 いくつかの例を挙げます。 例えば、残業は労働者を雇ったからといって、当然に命令できるものではありません。 「会社は業務上の必要がある場合に残業を命ずることがある。」といったような、労使間の特約があってはじめて可能となります。 こうした特約なしで命じた場合、拒否されても労働者に応じる義務がない以上、会社は文句はいえません。 他方、そうでない場合には、今度は拒否した労働者の方が、残業命令違反という特約違反行為をしたこととなり、そのときは懲戒処分といった厳しい対応で臨むことができるのです。 また、労基法では原則として8時間を超えた労働については超えた分の残業代を支払うことが義務付けられていることは多くの方がご存じだと思います。 しかし、例えば「基本給には給与規程で定める方法(当然、労基法の基準を満たしている必要があります)で計算した10時間分の残業手当を含むものとする」とする特約を締結しておけば、10時間の残業をしても、その分の残業手当はすでに支給されていることとなるので、あらためて、別にその分を支払わなくとも労基法違反には問われることはありません。 よく、残業代込みの給与の支払方法をめぐってトラブルが発生しますが、その原因の多くはこうした具体的な見込みの残業時間や計算方法を特約で明確にしておかなかったことに起因しています。 さらに、トラブルというほどのことではありませんが、在職中に数回の離婚、再婚をした社員から、そのたびに結婚休暇や祝い金を請求されたらどう対応しますか? 離婚が一般化しているこのご時世、決してあり得ないことではないでしょう。 もし、1度だけ、ということを前提としているのであれば、「結婚休暇が取得できるのは、入社後、最初の結婚に限る」という特約を規定にすればよいだけのことです。 以上のように就業規則は契約書としても非常に重要な意味を持ち、こうした特約が多ければ多いほど、また現実的であればあるほど労務トラブルは防ぐことができます。 【身の丈にあった就業規則を作ろう】 前述のように、仕方なく作られた就業規則をみると、多くは解雇予告、年休、割増賃金といったもともと法律で強制されていることについては極めて詳細に書かれていても、労使トラブルを防ぐために必要な会社と労働者間の特約については通り一遍のことしか書かれていません。 他方、親会社や市販のモデル就業規則を丸写しにした就業規則をみると、高額な退職金やら立派な福利厚生制度など、その会社の規模から見て到底実現不可能なことが書かれていたりします。 過去に実際に関わった事例や、裁判例などを見ても、こうした中途半端な就業規則は百害有って一利なし。 労使トラブルが起きれば社内で解決には役に立たないどころか、裁判などに発展すれば立派な証拠となり逆に自分の首をしめかねません。 それこそ、その就業規則自体がトラブルの元になってしまうのです。 以上をふまえると、就業規則を作ったり変更したりする場合に、気を付けなければならないことが自ずと浮かび上がってくると思います。 つまり、トラブルを解決するための就業規則とは、以下のような条件を満たしている就業規則といえるでしょう。 @あらかじめトラブルになりそうな点が明確にされている。 Aこれに沿った会社の対応や見解がきちんと規定化されている。 B労働者に命令したり、遵守させたり事項が具体的に挙げられている。 C会社が、できもしないことは記載されていない。 要するに、その会社として必要十分で、かつ実現可能な内容を持った、いわば身の丈にあった就業規則こそが、トラブルを解決するための就業規則づくりの第一歩といえます。 いままでの経験則でいえば、当初から立派な就業規則を作っても結局は持て余してしまったり、逆にシンプルすぎるとその運用があいまい、または恣意的になってしまい、結局、どちらも使いものにならないことが多いようです。 ムリのない、それでいて押されるべきところは押さえた身の丈にあった就業規則をつくり、必要に応じて、そのつど、こまめに見直し、メンテナンスしてゆくのが一番堅実な就業規則の活用方法だと考えています。 【作った後が肝心】 前述のように、就業規則は「作れば終わり」というものではありません。 むしろ、作った後の方が大事といって良いかもしれません。 会社のルールとする以上、日々刻々と変化する職場環境に合わせて就業規則も見直していかなければ、その存在意義を失うからです。 就業規則の見直しは、見直すべき時期がきたときに、@今ある規定を変更する、A新しく規定を追加する、B今ある規定を廃止する、のいずれかの手続を経て行われます。 見直す時期といってもいろいろですが、大ざっぱにいえば次のように分類できるでしょう。 1.法律改正があったとき(例:高齢者雇用安定法の改正に伴って定年を65歳まで延長した) 2.労使トラブルが生じ、または予想されるとき(例:秘密漏洩を防ぐため、一定期間同業他社への転職を禁止した) 3.経営上または労務管理上必要になったとき(例:能力主義を徹底するため年俸制を導入した) 4.新たな職場慣行が自然発生的に生じたとき(例:黙認されていた3時から10分の休みを、制度上の休憩時間とした) このような、こまめな見直し作業を経て、常に現状にあった状態を保つことにより、就業規則は生きたルールブックとして労使トラブルの解決に役立たせることができるのです。 逆にこうしたメンテナンスがないと、就業規則とは異なる既成事実が一人歩きすることとなり、かえって無用な混乱をもたらしてしまうことは前述のとおりです。 【書面を活用しよう】 ところで、せっかく就業規則を作っても活用できずに、そのまま、ほったらかしになっているケースは決して少なくありません。 その理由の一つとして、就業規則で定めた手続きを経営者自身で上手に実施し、または説明できなかったり、仮に説明ができても今度は労働者の側で会社の説明に納得しなかったがために、やむなく当たり的に対応してしまい、就業規則とは異なるルールをそのつど作ってしまう、といったことが挙げられます。 しかしながら、こうしたあいまいな解決方法が、さらなるトラブルの引き金となることは決して少なくありません。 それは、明確な基準に基づかないまま、加えて当事者の見解に誤りがあっても修正されないままに場当たり的に終わってしまうために、再び同様なことが起きたときに同じことを繰り返すことになるからです。 このように就業規則をつくっても、それがキチンと具体的な手続を通じて用いられなければ、単なるお飾りになってしまいます。 当事務所では、就業規則を上手に活用するために一つの手段として事業主の主張や見解を記した「書面」の活用をおすすめしています。 実は、書面には労使トラブルを解決する上で多くの効用があります。 一つには、「いった、いわない」のトラブルを防ぐということです。 たとえば就業規則中の「試用期間中は給与を減額することがある」という規定を根拠に減額した給与を支給しようとしたところ、労働者から「そんなことは聞いていない」といわれたら、どう説明しますか? こうしたトラブルは、あらかじめ「試用期間中は基本給は○円とする。」という書面一枚渡しておけばすむ話しです。 二つには、会社としての見解や対応を明確に示すことができるということです。 就業規則の規定の解釈を明らかにする場合や、労働者が誤った認識を持っている場合にそれを正す、といった場合に用いると良いと思います。 三つ目には、トラブルがあったときに証拠とすることができるということです。 前述のように昨今の労使トラブルは社内での解決にとどまることなく、裁判、労働審判、あっせんといった社外の制度を利用した解決を求められることが増えています。 こうした社外の制度では客観的な証拠としての書面を非常に重視しており、どんなに口約束を交わしていたとしても、証拠がなければ言い分を認めてもらうことはとても難しいと考えてください。 前述のように給与の決定に際し「1時間の残業代を含む」とお互いに決めても、これを書面に残しておかなければ「そんな約束はしていないので1時間分の残業代を払ってください」と後になっていわれれば、それまでなのです。 書面のやりとりというと、なにやら堅苦しく、また穏やかでない印象がありますが、実際にそうした事例を手がけてみると必ずしもそうではありません。 逆にこちらの言い分がキチンと伝えられて、相手にとっても良いとするケースの方が多いのです。 (もっとも、書面を交わすような場合というのは労務トラブルが起きそうだったり、現に起きていることが多いので、むしろ言い分をはっきりさせるべきなのでしょうが・・・) また、労使トラブルが生じたとき、多くは監督署や、労働相談センター、弁護士事務所といった誰かしらに相談にゆくものです。 そのときに、こちらの言い分を示すものがなければ、どうしても相談者の言い分のみで判断されがちです。 相談相手に持ち込まれることを念頭とした書面を作成し、その中に法律的な筋道もふまえたキチンしたこちらの言い分が示されていれば、逆に相談相手の方で相談者を説得してくれることもあるのです。 当事務所が、お客様から依頼を受けて書面を作成するときに、トラブルの相手そのものよりも、その相談相手に読んでもらうことを意識して作成するのもこうした効果を期待してのことです。 このように、書面は労務管理の現場において皆さんが思っている以上の効果を持っており、就業規則を補うものとして積極的に活用すべきだと思いますが、一点だけ気を付けるべきことがあります。 労務トラブルの種類や進行段階によっては、法的に不備がある書面を不用意に用いると、かえって自らを不利な立場にしてしまうことがあります。 したがって、こうした場合には社会保険労務士や弁護士といった労働法の専門家に相談した方が無難でしょう。 なんだか、とりとめのない話になってしまいましたが、なんとなく就業規則の重要性がご理解いただけたでしょうか。 上記が、貴社での就業規則を活用する際の一助になれば幸いです。 |
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